ルノワールに関する一考察
1860年頃ルノワールは画家を志してパリに移りグレールのアトリエにはいる。アトリエは数年で辞めてしまうが、その頃からアトリエで知り合ったモネやシスレーやバジールらとフォンテンブローの森で写生を行っている。 しかし印象派のテーマである屋外の陽光が作品あらわされはじめるのはしばらくあとである。彼は63年からサロンへ出品しているのだが、この頃の作品は暗い色調の、ルノワールいわく真面目でアカデミックな作品だった。そのほとんどは落選している。
1868~69年に制作されたとみられる「小川のそばのニンフ」はやわらかな緑を背景に、青白い肌の少女が寝そべっている寒色系の画面で、題材もアカデミックで伝統的なものを用いている。 ただ、クールベのリアリスムの影響を受けているといわれている頃で、確かにこの作品も生身の少女の柔らかさや重みをそなえ、ニンフというよりは身近にいる少女のさりげない様子を捉えているように思う。